祖母(登志江さん)
私の娘と息子が生まれた時ですから35年以上前のことになるんですが、実は姉の嫁ぎ先が散髪屋さんなんですよ。 それで、「一生の記念になるから、筆を作ってやらんか?」との勧められたのが、最初のきっかけ。 そこで初めて娘と息子の赤ちゃん筆を作って、とてもよかったので友達にも勧めました。 結局、孫の分も作り、今は親子二代で光文堂さんとお付き合いしています(笑)
祖父(辰夫さん)
一生の記念として残るので、非常にいいですね。何年たっても…。というか、長ければ長いほど価値を感じます。 生まれてはじめて切った毛で作りますから、残せることは大切だと思います。 作った筆は、娘が結婚するときに手渡したんです。「これは35年前のお前の髪だよ」と。 その娘が、2年後には孫に作ったんだからおもしろいもんです。この慣わしは代々伝えていくつもりですよ。
ご主人(広将さん)
へその緒は、それはそれでいいんですが、あまり格好がよくないですからね(笑) 赤ちゃんの筆は、写真とは違う良さがあります。
祖母(登志江さん)
子供に作れば、絶対に孫にも作ってあげたくなる。「残してやりたい」と思いますよ。まだまだ赤ちゃん筆を知らない人が多いから、広げたいですね。本当に。
娘(愛さん)
親に作ってもらって良かったです。ありがたいな、と思っています。
娘(愛さん)
タイプは、全部桐箱タイプですが、私は全部お母さんにお願いして保管してもらっています。
祖母(登志江さん)
そう。それで、この子の友達から頼まれて見せてあげるんですが、「私も作りたい!」って頼まれるんです(笑)
特別な時以外は、大事に保管していますね。出すのは、子どもが結婚したとき。一緒にしまってある着物を着せるときとか。
祖母(登志江さん)
私もたまたま、理容師をしていたから赤ちゃん筆を知っていましたけど、そうじゃなければ巡りあえていなかったかもしれません。光文堂さんを選んだのは、筆専門で昔からの会社さんだから。だから。えっ?200年年以上の歴史があるんですか?それは知りませんでした(笑)。
昨日今日の会社さんより信頼できますからね。一生に一度の大切な髪を扱ってもらうのだから、やっぱり信頼できるかどうかは大事ですよ。
祖父(辰夫さん)
胎毛だから一生に一度のチャンスだし、たったひとつのものですからね。後で、作ってよかったと必ず思いますよ。
娘(愛さん)
よくある記念品とは違って、筆は後から作ろうと思ってもできないですからね。他ではできない記念になりますよ。
ご主人(広将さん)
子供が誕生したその時に親が何か残してやれるとしたら、筆が一番だと思いますね。
祖母(登志江さん)
親が残してあげられるものって、多いようで実は少ないんですよ。やはり、子供のものを残してやるのが一番です。誕生した時の喜びを伝えるには、この子の本当の毛で作った筆しかないと思います。後悔は絶対にしません!次の代にもつなげてほしい物です。出来れば光文堂さんで作って欲しいです。