胎毛筆とは

胎毛筆とは

赤ちゃん筆”は「胎毛筆」と呼ばれ、古くから生まれた子の頭脳明晰・健やかな成長を祈るために赤ちゃんの髪の毛「胎毛」でつくられてきました。これは、お母さんのお腹の中で赤ちゃんを守るために生える産毛のことです。つまり、赤ちゃんしか持っていないもの。生まれてから一度もハサミを入れたことのない「胎毛」にしか「毛先」はありません。 “赤ちゃん筆”をつくるチャンスは、「一生に一度」だけしかないのです。子供の健やかな成長を願う、両親の深い深い愛情がこめられた、一生に一度の贈り物。子にとっては自分の身体の一部でつくられた「お守り」であり、親にとっては、生まれたばかりの感動をいつまでも鮮やかに蘇らせる宝物です。

胎毛筆とは

胎毛筆とは

胎毛筆とは

お子様の筆を守ってくれる桐箱の話

光文堂の胎毛筆は、桐で作った木箱に入っています。この桐材は、優れた木材です。木は製材できるようになるまでかなり時間がかかります。

例えば、杉で80年、松で40年かかります。これに比べて桐の木の成長は大変早く、おおむね樹齢20年くらいで活用することができ、計画的に植樹できるため、自然環境を守るうえでもすぐれた資材といえます。

また、桐材は大変腐食に強く、品質の良い桐箪笥を大切にご使用されるなら150年以上は使うことが出来ます。さらに、桐の優れた特性は、自己呼吸をしていますから、湿気の多いときは湿気を吸収し、湿気の少ない時は空気の通りがよくなる性質をもっています。

このことが、防カビ、防虫効果を生みます。また、耐火性ですぐれていることも挙げられます。火災に遭った桐箪笥は、外側は真っ黒になりますが、中に入っているものは全く無傷なことが多いです。

このことは、どの木材よりも耐火性に優れている現れです。例えば、杉は240度で発火しますが、桐は約400度にならないと発火せず、また熱を受けても割れにくいことが挙げられます。だから、昔から衣類、美術品、宝石等の大切なものを保管するのに最も適しており、優れた木材として重宝されてきました。

この桐材ひとつみても、いにしえの人の知恵と脈々と受け継がれる日本文化のすばらしさを再確認し、この日本文化と共に親子との絆を「胎毛筆」を通じて、次の世代に伝えたいと思います。